公共建築においては、その品質を確保するとともにコスト縮減を図ることが重要です。政府は、平成9年4月に策定した「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」の具体的施策にVEを位置づけ、以来継続的にVEを推進して成果をあげてきました。平成20年策定の「国土交通省公共事業コスト改善プログラム」においても、設計VEが引き続き位置づけられています。（一財）建築コスト管理システム研究所は、公共建築VEの具体的な進め方について平成7年度から研究に取り組み、成果の普及を図るとともに、個別プロジェクトの設計VEの受託も実施してきております。

建築工事でのVEを時系列で分類すると、設計VE、入札時VE、契約後VEに大別でき、設計VEは縮減効果が大きいとされています。

設計VEは、設計段階で目的物の品質を確保し、ライフサイクルを視野に入れて工事費を含むコストを縮減させるための検討手法です。